ようやく暖かい日が増え、桜の季節になりました。
暖かくなるにつれ、スポーツの試合も多くなってきます。
特に瞬発力を必要とするスポーツは、トレーニングにおいて、スピード重視の内容に移行していく時期になります。
そのため、冬季トレーニングとの内容の違いにより、身体への負担がかかる場所が変わってきます。
その点、春先はケガに注意をしなくてはなりません。
春先に多いケガの一つとして、「肉離れ」があります。
瞬発系のトレーニングは、重い物を持ち挙げたりして鍛えるトレーニングとは違い、軽い負荷で、脱力と出力のメリハリをつけたトレーニングとなります。
脱力している筋肉が外力により伸ばされることで、筋肉が素早く収縮します。
これは「伸張反射」といって、筋肉がそれ以上伸ばされないように保護しようとする生理反応です。
この反射を利用しながら走る短距離選手は「バネを使って走る」ことができ、野球のピッチャーにおいては「球が伸びる」ようになります。
頭で考えたりせず無意識に筋肉自体が反射を行うために、疲労が少ない省エネ運動とも言えます。
私は現役時代、やり投げをしていた際に、8割程の力でやりを投げる距離と、10割全力で投げる距離が、その差の2割に達しないということを経験しています。
8割程度で気持ちに余裕を持たせ、リラックスをした方が、伸張反射が有効に作用するという事になります。
ただし、伸張反射初期に「筋肉が伸ばされている期間に筋が収縮する」という反射が始まるので、身体のコンディショニング次第では肉離れなど大きなケガにつながってしまうのです。
しっかりと水分補給をして、ウォーミングアップを入念に行い、身体が温まってからトレーニングに挑みましょう。