冬と東洋医学

紅葉も終盤に差し掛かり、今年も残すところあとひと月となりました。

 

例年よりも冷え込む日が多く、暖房機器なしでは過ごせなくなってきました。

 

そのような気温が上がらない日が続くと、東洋医学では「寒邪」が体に影響を与えると考えます。

 

「寒邪」とは文字通り、寒さが体に及ぼす邪気の事であり以下の現象が現れます。

手足や腹腰部の冷え・薄い鼻水や尿が多く出る・筋肉や関節がこわばり痛む、などです。

いわゆる「冷え」からくる症状とよく似ています。

 

「寒邪」は皮膚表面から体の深部に侵入しやすく、改善するには体を内側から温める事が大切です。

そのため半身浴や運動、食事に気を付けなければなりません。特に年末年始にかけてお酒を機会が増えますので、冷たい飲食物は程々に控えましょう。

 

体を温める食材として、冬至に欠かせないゆず・かぼちゃ、また、ねぎ・大根・はちみつ・にんにく・シナモン・唐辛子なども効果的です。

 

「寒邪」対策を万全にして、師走を乗り切りましょう。

秋は燥邪にご注意を

10月を迎え、過ごしやすい季節に入りました。朝晩は少し肌寒いですが、日中は日差しが強いため、まだ暑い日もあります。

 

東洋医学では、秋が身体に及ぼす影響を「燥邪(そうじゃ)」と言います。

文字通り乾燥に関わる症状が、身体に現れます。

秋は「肺」との関連が深いため、喉の痛みや空咳が出現しやすく、また、肌の乾燥や髪の毛のパサつき等も起こります。

 

乾燥により、体内の水分量が低下してしまうと、風邪や頭痛、便秘など、熱を伴った症状が現れます。

 

燥邪を予防、改善する食材として大根・しそ・生姜・ねぎ・白菜などがお勧めです。

身体に潤いを保つ食材としては、梨・はちみつ・ごま・ごぼう・れんこんなどがあります。

 

涼しくなりましたが、水分補給をこまめに行い、乾燥に負けないお身体にしましょう。

夏と東洋医学

  1. みなさまこんにちは。

久しぶりのブログ更新になります。

 

梅雨も明け、名古屋特有の蒸し暑さがやって参りました。

東洋医学では、季節の変化が身体に様々な影響を及ぼすと考えます。

梅雨の時期は以前のブログでご紹介した「湿邪」でしたが、気温が上がり真夏日が続くようになると「暑邪(しょじゃ)」というものが、湿邪に相乗して身体へ悪影響を及ぼします。

 

暑邪は文字通り熱性のものなので、暑邪におかされると汗を多くかく・不眠・食欲低下など、いわゆる夏バテと呼ばれる症状が現れます。

汗を多くかくということは気を消耗するということなので、倦怠感や手足のだるさ、意欲の低下につながります。

 

暑邪を改善・予防する食べ物として、キュウリ・冬瓜・スイカ・ナス・セロリなどがあげられます。

これらは身体の熱を冷ます効果があります。

 

また、冷たい飲食物を多く取り、胃腸の働きが弱くなっている時には、消化を助ける作用があるオクラ・ピーマン・大根などがお勧めです。

 

近年、真夏の気温上昇により、エアコンを使用しないと過ごせなくなって参りました。

ですが、人工的な冷えは身体を芯から冷やしてしまいます。

その結果、風邪を引いたり、肩こり・腰痛が出たり、内臓の冷えを感じたり、という症状が現れます。

「頭寒足熱」という言葉を耳にした事がある方も多いのではないでしょうか。

頭を冷やして、足は暖めなさい、という意味の言葉です。

頭を冷やせば、全身が涼しくなります。

ですが足は冷え過ぎてしまうと、全身のむくみや血流の悪化、身体の凝り、内臓の冷えなどを起こします。

冷房の効いた室内では、ハイソックスなど膝下丈の靴下を着用し、足を冷やさない事をお勧めします。

 

 

では、夏本番を乗り越えていきましょう。