ハムストリングスの肉離れ

季節の変わり目のこの時期、気温が下がり快適に過ごせるようになってきました。

陸上競技では、秋頃でトラック種目•フィールド種目はシーズンオフとなります。

 

今回は、走りを例にお話しします。

 

 

この時期、突発的なケガ、特に短距離系などではハムストリングスの肉離れが多くみられます。

短距離選手(スプリンター)はなぜ爆発的な力で走れるかと言いますと、「バネ」と呼ばれる力が働くためにスピードを出して走る事ができます。そのバネが働くためには、腱が伸ばされるタイミングが必要となります。腱が瞬間的に伸ばされる事により、頭で考えて身体を操るより遥かに早いスピードで腱とセットになっている筋肉が縮みます。

 

「腱が伸ばされる→筋肉が縮まる→地面に力が加わり身体が進む=バネのように地面を蹴れる」 一瞬のひと蹴りでこの過程を得る事によりバネ感で走れるようになります。力いっぱい走るという事は、筋肉を縮める意識が強いため力んで走っている状態となり、自身は全力のつもりなのですが、スピードが出にくい走りとなってしまいます。

 

バネを使うためには脱力も取り入れたトレーニングが必要となってきます。

 

走りのコツを掴んでくると、ゴム製でできたトラックの上では更に地面からの反発をもらえるようになり、速く走れるようになります。

しかし、身体のコンディション次第ではこの大きな反発は肉離れというケガに繋がってしまいます。

 

肉離れをしてしまった選手に状況を聞くと、だいたいの選手が口を揃えていうのが、「自己ベストが出そうなぐらい絶好調で身体が動いた」という状況が圧倒的に多いです。

自己ベストを超えて走れると言う事は、身体が未知の領域に達すると言う事となり、コントロールができないという状態になりがちです。

 

動きの中で、腱が伸ばされるスピードに筋肉の強度がついていけない、あるいは予想外に走りのフォームが崩れてしまった、その瞬間がケガの引き金となってしまいます。

プラスαで疲労や栄養面のバランス、気温や地面の種類なども影響されます。

 

突然の痛みに襲われるのが肉離れの始まりですが、応急処置としてアイシングをする事が優先されます。

アイシングの重要性については、後日お伝えします。

肉離れは軽度と言っても完全復帰までに2ヶ月程時間がかってます。痛みが取れたからと思って早期に動いてしまうと再発してしまったり、違和感や硬さが残ったりしてしまいます。

 

例えば、皮膚に切り傷や擦り傷を負ってしまった部分は、治癒の過程で肉芽組織が形成され、少し盛り上がって硬い皮膚ができます。それが肉離れを起こした部位にも生じます。

 

肉離れの損傷部位に、一部分だけシコリがあると、再発するリスクがあるのですが、リハビリをしっかり行う事で柔軟性のある筋肉に戻す事ができます。 

 

 

当院では、鍼灸治療をはじめ、超音波•ハイボルテージ•マイクロカレント•酸素カプセルを用いてケガの早期回復を実現できます。

急性期から回復期、コンディショニングでお悩みでしたらお気軽にご相談下さいませ。